たったひとつの冴えたやり方?

フリーシェル講座は何度かやったことがありますが、改めて最も簡単なフリーシェルの作り方を紹介します。

まずフリーシェルを作ります
フリーシェルが完成します

ね、簡単でしょ?


別にこれはバカにしているわけではなくて、シェル屋さんは大抵の物事を精神論で語りがちですが、フリーシェルを作るのにデザインを考えて設計して絵を描いて差分を作ってトリミングして定義ファイルを書いてアーカイブにして……とかそう言うのは全部ささいなことです。


フリーシェルを作るのであれば、まずフリーシェルを作ってみるしかなくて、本当に必要なのは作ろうとする意思と行動だと思います。それさえあればあとはなんとかなるので、フリーシェルを作ればフリーシェルは作れます。


作ってみたけど完成しない、うまくいかないというのは「作れない」のではなくて、自身の想定する完成度に対して「満足できない」というだけです。フリーシェルは一枚絵、極論するなら2ドット2色でも成立するので、あとは自分がそれで納得できるかどうかだけです。


フリーシェルに限らず、シェルを作る上での方法というのは色々ありますが、それは全部その制作者個々人にとってのやり方であって、だれもが同じように作るのが最善とは限りません。
それは単純に、イラストを描くのに他人とまったく同じ工程で描く人はいないのと一緒です。


例えばパーツ細分化による無限レイヤーからの福笑い式でパーツごとに動かすことを前提にした設計もあれば、一枚のイラストを描いてからの複製改変差分とかもあるわけです。
前者はLIVE2Dなんかにも応用が効くので便利ですし、後者は雰囲気を大事にした「絵」としての完成度が高くなると思います。
それらを同列に語るのはナンセンスで、それぞれの目的にあった作り方をすれば良いのです。


「それじゃあどうやってシェルを作ったらいいかわからないよ!」という人は、とりあえず絵を描いてpngで保存してください。
はい、シェルが出来上がりました。
適当なゴーストのフォルダを複製して、「フォルダ名→shell→master」の中身を全部削除しましょう。
そこに先ほどのpngを入れて、ファイル名を「surface0.png」にします。
あとは該当ゴーストを起動すれば、描いた絵がシェルになってゴーストとして立っています。
これがシェルです。これ以外はすべて枝葉末節です。あってもなくても大丈夫です。


以上のことを踏まえたうえで、それはそれとしてシェル屋さんがどうやってシェルを作っているのか単純な知的好奇心から知りたい!ということであれば、シェル屋のやり方を披露するにやぶさかではありません。

フリーだけどフリーじゃないフリーシェルの話 ─偏屈なシェルマスターのこだわり─

この文章に伺かという文化における学術的な意味はなく、楽園ちゃんが可愛いことを知ってもらうために書かれたいくらか迂遠な宣伝です。

さかなやさんでは多くのシェルを配布しています。
フリーシェルのフリーとは何がフリーなのか?
少なくとも「著作権フリー」ではありません。
おおむね「ロイヤリティフリー」ではあります。
そして権利関係とは別のところで、「キャラクターフリー」であることが多いです。
つまり、どのようなキャラクター(ゴースト)に使用しても構わない。
あるいは、どのようなキャラクターにもなり得る。
それはフリーシェルにはキャラクター(人格)が設定されておらず、使用者が任意にそれを決めることができるということです。


伺か・伺的 [第2会場] Advent Calendar 2024 - Adventarにて
日野つみさんの「福笑い式surfaces.txt生成ツールを作った話」が公開されました。
https://apxxxxxxe.dev/entries/adventcalendar_20241207/

この「福笑い式」という方式は非常に機能的だと思います。
すべてのパーツを網羅的に組み合わせることで、表情差分を最大限に増やすことができます。
でもシェル屋はこの方式を決して使用しません。
なぜか?


シェルには「伝統的定義」とも言われる「標準的なサーフェスIDの割り振り」というものがあります。
UKADOC Project Shell設定 - surfaces.txt
昨今ではこれを踏襲しないシェルも多いですが。(むしろその方が主流の可能性も高い?)
さかなやさんのシェルは頑なにこれを守っています。
(少なくともsakura側の0~9番においては)
規格を統一することでわかりやすくする意図があります。
「わかりやすく」というのは、管理においてもそうですし、使用においてもです。
さかやなさんシェルには「互換シェル」という概念があり、いくつかのシェルは新作が旧作に対して互換する形で作られています。
必ずしも完全互換を保証するものではなく、「おおむね対応できている」という程度ですが。


さかなやさんのシェルには「似たようなデザイン」のものがいくつかあります。
服装ではなく容貌が似ているシェルです。
髪、目、肌の色が同じで、顔の造作もほぼ一緒だが年齢が多少違って見えるシェルです。
これらは「互換シェル」となっていて、似た容貌のシェル同士はおおむね互換する形で存在しています。
これが示すのは、それらの互換するシェル同士は「同一のキャラクター」であるということです。

「楽園 / paradise」
「焦燥 / promise」
「微光 / pretty」

この3つのシェルは白皙・金髪・碧眼で同じような髪型をしたよく似たデザインをしています。
年齢こそ違いそうですが、おおむね同一人物だと認識できるのではないでしょうか。
同一人物なので、表情差分も同じような内容です。
これが「互換シェル」です。
ちなみにこの子は最初に公開されたシェルから「楽園ちゃん」と呼ばれています。


「キャラクターフリー」である「フリーシェル」において、同一人物とはどういうことなのでしょうか?


さかなやさんで配布されているシェルには、実はキャラクター(人格)が設定されています。
それは詳細なものではなく、ぼんやりと「こんな感じの子」くらいのものですが、中にはより具体的にキャラクター付けされているものもあります。

「楽園 / paradise」
「焦燥 / promise」
「微光 / pretty」

これは先ほど挙げた3つのシェルの構成内容です。
同じような表情をしていることがわかるでしょうか。
白皙・金髪・碧眼のsakura側に対して、褐色・黒髪・黒目のkero側は一見すると単なる色違いに見えます。
しかしよく見ると、髪型が違います。
そして何より、kero側には「笑顔」しかありません。
しかも笑顔だけが6種類です。
つまりこの二人は別人で、それぞれにキャラクター付けがされているということです。

この「キャラクター付け」があるために、さかなやさんのシェルでは「福笑い式」が採用されないのです。
福笑い式では基本的にすべての組み合わせの表情を再現できますが、それはつまり組み合わせ可能なすべての表情をするということです。(小泉構文かよ)
端的に言うと、「どんな表情もする」ということです。
しかし、さかなやさんのシェルはキャラクター付けされているために、「この子はこういう顔で笑う、怒る、泣く」「この子はそんな表情はしない」ということがあります。
だから、すべての組み合わせを再現されては困るのです。


フリーシェルはキャラクターフリーだ」と言いましたが、実はさかなやさんで配布されているシェルは「キャラクターフリー」ではなかったのです。
とはいえ、実際には配布ページに「自由に再配布、改変、二次創作を行ってください。」とうたわれていますし、シェルのreadmeにも「非営利目的に限り、改変・転載・再配布は自由です。」とあるので、利用する方が自由に表情を増やすなり減らすなりして、好きなようにキャラクター付けをすることが可能です。
しかしそれには画像を加工する手間と能力が必要であり、決して自由自在とはいかないでしょう。

ただ、ひとつ言っておかなければならないことがあって、それはあらかじめシェル屋の中に用意されているキャラクターは、そのフリーシェルの用途を制限するものではないということです。
依頼を受ければ表情やポーズを増やしますし、そのような形で追加されたサーフィスを「専用サーフィス」として持つゴーストもいくつか存在します。
これはあくまでもシェル屋がフリーシェルを作るうえでのこだわり、あるいは創作表現であるということです。


それはそれとして可愛い楽園ちゃんをよろしくお願いします。

さかなやさん年表(統合版)覚書

私が作って、過去に一度でも公開されたことのあるシェルを、おおよそ公開された時系列順に並べた一覧です。
現在では入手不可能なものもあります。
シェルとして完成しているけれど公開されていないもの、「吉野桜 / シェル屋」名義でないものは含まれていません。
ほぼ網羅していると思いますが、作った本人が完全に忘れているものがあるかもしれないので、これで全部とは言い切れない可能性があります……。

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拍手~。

>新しい子が小柄なのに下半身がむちむち…❤


んー。
新しい子というと、微シリーズの楽園ちゃんかしらね。
今回のテーマは「太もも」なので、10枚くらい描き直しました。
お褒めいただきありがとうございます!
褒められてるよね……?

拍手~。

>先ほど公開したゴースト「アリアローコ・ノルモ」にて、「微香 / aroma」と「LIFE PARTNER (うさこ)」を使用させていただきました。これからお世話になります!

ご利用いただいた上に、ご報告まで!
ありがとうございます!!
かわいがっていただけると嬉しいです。

うみこのこと

うみこは愛称で、正式にはフリーシェル「vita maris」と言うのですが。
「vita maris」はラテン語で「海の命」
つまり、うみのなかま! ということです。
うみこは愛称なのですが、長らく「ウミウシ」と呼ばれていました。開発名ですね。
デザインのベースになっているのが「トサカリュウグウウミウシ」で、そこに海の生き物がいろいろと混ざっています。
クリオネとかコウイカとかオニイトマキエイとか。
瞬きするときに白目になるのは、アレは瞬膜です。サメとかの。

今回は「納得するまで描く」というのがテーマの一つだったので、かなり描き込みました。
もともと触手には強いこだわりがあって、こだわるゆえに軽々には描けないモチーフだったので、ようやく一つ乗り越えた感じですかね。

使いにくいデザインではありますが、意外と可愛い子なので、個人的にはよくできたかな、と。