「黄衣の王」とは、異界に伝わる古き伝承に現れる者の名という。あるいはそれは、「名状しがたきもの」「星間宇宙を渡るもの」の化身とも伝えられる……。

カノープス(シノビ/女/12歳)
 遥か東方の異国から逃げ出してきた、シノビの少女。仲間からは「カノ」と呼ばれている。
 実家は古くから祖国の領主に使える暗殺者の一族で、カノ自身も幼少の頃からさまざまな暗殺術を仕込まれてきた。その中でももっとも得意とするのが、抜く手も見せずに相手の首を落とす「首打ち」の技で、その刃のあまりの冴えに身を隠して潜む必要がないほどである。
 年齢が十を数えるころには立派な「首切り人」となっていたが、第二次性徴を迎えて反抗期に入りなんとなく家出をしてしまった。
 隣国に渡る交易船に乗り込んだまでは良かったが、船上で追っ手に見つかって思わず海に飛び込んでしまい、流れながれて気づけばアーモロードの浜辺に打ち上げられていた。
 暗殺以外に生きる術も知らず、とりあえずその技を生かせる冒険者となったが、いずれは何か大きなことを成し遂げたいとぼんやり夢想している。
 後にさらに磨きぬかれた首切りの技を持ってブシドーとなり、ハイ・ラガードに渡って天空の城へと至るのはまた別のお話。

シリウスファランクス/女/18歳)
 スピカの幼馴染みで、姉のような存在。
 普段はきつい物言いでいつも怒っているような印象があるが、心配性で世話焼きな性格の現れ。特にスピカに対しては小言が多く、「あんたはあたしのおかーさんか!」とキレられるのが日常。
 実はスピカに対しては単なる幼馴染み以上の感情──具体的には百合願望──を持っているが、それを知られて避けられるのを恐れている。
 仲間を守るのが自分の使命と信じており、敵の前に立ちふさがって攻撃を防ぐことに全てをかけている。誰かを守って自身が傷を負うたびに「役に立っている」という実感で喜びを感じているが、最近ではそれが高じて、怪我をすること自体が快楽に直結しつつある。

スピカ(モンク/女/16歳)
 小さな頃から乱暴者で、近所のガキ大将だった。あまりの暴れん坊に心配した両親が武道の道場に通わせたのだが、破壊力が増した以外の成長が見られなかった。
 子供の頃から「大きくなったら世界樹の迷宮に挑む」と気炎を上げおり、遊び仲間と迷宮の近くをうろついて怒られたりもしていたが、成長するにつれて友達はまっとうな道を進んでしまい、残ったのは姉のように面倒を見てくれたシリウスだけになってしまった。
 すでに第二次性徴を迎えているはずだが、背も胸もまったく育っていないことに劣等感を感じており、鎧の下にわがままボディを隠しているシリウスをひそかに羨んでいる。
 小さな体に似合わない破壊力を秘めた拳を振り回し、とりあえず殴って、殴って、殴る。防御や回復というのはシリウスや他の誰かがやってくれるものだと思っている。

ベテルギウスバリスタ/女/18歳)
 元気で明るく、笑顔を絶やさないお気楽少女。愛称は「ビータ」
 幼い頃は別の国に住んでいたらしいが、記憶を失ってしまっている。ただひとつ覚えているのが、降り注ぐ雨のような矢が雲霞のごとく押し寄せる怪物を掃討する場面だけである。
 失ってしまった過去に執着があるつもりではなかったが、気が付けば「記憶の場面」を再現しようとしている自分がいた。最近では、1ターンのうちにどれだけの矢弾をばら撒けるかに挑戦するようになり、本質からかけ離れつつあるような気がしている。

プロキオン(ファーマー/女/21歳)
 いつも一歩はなれたところから仲間を見て微笑んでいる、何を考えているかわからないおっとりお姉さん。愛称は「シオン」
 動植物や迷宮に関する造詣が深く、怪我や病気の治療、野営や冒険で必要な知識などにも詳しい。
 見た目の微妙な幼さとは裏腹に落ち着いており、実質的なパーティーのリーダーであるが、号令をかけて皆を引っ張っていくのはスピカに任せている。
 二人だけで迷宮に挑もうとしていたスピカとシリウスに、ビータを引き合わせて一緒にギルドメンバーとなった。また、慣れない異国で行き場を見失っていたカノを拾ってきたのも彼女である。
 実はビータの過去を知る人物で、エトリアでのある事件をきっかけにアーモロードに渡ってきたのだが、そのことについては一切口を閉ざしている。
 かつて彼女はエトリアにおいて世界樹の迷宮を探索する冒険者(殴りメディック)であったが、ビータの関わった事件の後で引退を考えていた。しかし、記憶を失ったビータが冒険者として歩みだそうとしたことに因縁を感じ、異なる地で再び冒険の舞台に立ったのであった。